泣きたいのだ 泣きたいのだ
涙を出しきってしまいたいのだ
自分の流した涙におぼれてしまっても
それでもまだ泣くのだ泣きたいのだ
流すのだ涙をいくらでも
人の夢の中まで
濡らしてしまった
それでも
足りない
いくらでも泣きたいのだ
悲しみが闇の彼方に流れ去っても
それでも きっと泣くのだ
都会のかわきに
交わることが
できるようになるまでいつまでも


 
     -〈童女 M -16の詩-〉新風舎 1980

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