詩/マツザキヨシユキ
1980年(15歳)の時に出版した第一詩集から、今までに書いた詩をアーカイブ
雨の思い出
雨の中をびしょ濡れになって駆けて行ったのは
誰だったろう
生まれる前みたいな広いところに
ただ雨だけが降っていて
そこにぼくが居たなんて
九十九里へ行って
飛鳥へ行って……
ああ かならず出会った雨は
まだ
ぼくともうひとりの中に
しみ込んでいるだろうか
雨を見上げ雲を見上げ
落ちてきた雫は
ふたりの想い出だったのか
心に深く染み込んでいるのか
-〈童女 M -16の詩-〉新風舎 1980
0 件のコメント:
コメントを投稿
次の投稿
前の投稿
ホーム
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿