童女 M

ひとつ ふたつ みっつ よっつ
きみは
別れたグラスの破片を
机の上に並べる

いつつ むっつ ななつ やっつ

ぼくは
きみのしなやかな桃色の指と
海のように深くすんだ目とを
かわるがわる見ている

ひとつ ふたつ みっつ よっつ
指をさして数えるきみの
あどけないしぐさを見て

いつつ むっつ ななつ やっつ

ぼくの胸の中で
グラスの割れる音がする



   -〈童女 M -16の詩-〉新風舎 1980

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