春雷

どこまでも遠く響いている
すこしでも大地と共になろうとして ひくく
すべての雨と風とを伴いどこまで行くのか
青い大地を更に青くぬろうとして
かわいた人の喜びを少しでも潤そうとして
できるだけひろく雄々と
どこまでも行くのか
頭(こうべ)をたれて思う人の心を
天と地の中間に怒らせながら
この夜の果てまでも 行くのか
限りないやさしさと
勇気を持って……



   -〈童女 M -16の詩-〉新風舎 1980

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