十一月

かちかちと柱時計の音もまた冷たく
しんしんと更けた夜
銀色の月光も凍りつかんばかりに
ひややかに
また犬なども闇にのまれたのか
我救えとばかりに叫ぶような

天上の光の穴よりもれる光は
あくまでもちかちかと
世は静まりかえり
時を失ったかのように

銀の光りの中に
銀の光のの中に

   

   -〈童女 M -16の詩-〉新風舎 1980

0 件のコメント:

コメントを投稿