そんな儀式は
些細なことでいい
そして
できれば ひみつが
ふたりを覆(おお)ってくれるといい
ぼくらはふたりきり
夕陽の部屋で
一本のたばこを吸ってみてはどうだろう
きみのうつくしい横顔から
けむりがゆっくりと離れてゆくのが
見えるようだ
たばこなんか
真面目(まじめ)なきみはいやがるだろうか
それでも
けむりは
やがて僕等を包んでくれるに
違いない
あたりの空気は
ひみつのにおいを
漂わせるに違いない
ふたりの愛を誓い合う儀式には
そんな些細なひみつが欲しい
そんな ふたりだけの
ひみつが欲しい
-〈童女 M -16の詩-〉新風舎 1980
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